「おーい、大橋くーん。碧葉ー」

「試合前からイチャついてんなー」

上から降ってきたのは、

もちろんあの二人の声だ。

シュウと綾香は今日も相変わらず

べったべたとしている。

べ、別に羨ましくはないけどな。

だってあの二人を見て碧葉の目が

ギラリと輝いたし。そして案の定。

「・・・・あの二人、いっぺん川に沈めるか?

暑さでいかれた脳みそが

再起動するかも知れん」

「その前に三途の川

渡らせることになるから

止めとけよ?」

「・・・・・・」

気のせいかな、

いま舌打ちが聞こえたよ?

思わず頬を引きつらせると同時に、

集合の呼び声が響いてきた。

顔を上げると、

力強く頷く碧葉と目が合う。