「陽太君、こいつが私の半分

――双子の兄の“洸樹”よ」

差し出された遺影に映っていたのは、

目の前の姫華さんを男装させたような

人だった。

でも、姫華さんの双子なら二十代前後で

亡くなったわけだろ?

一体・・・・

「どうして死んだか、気になる?」

こちらに背を向けながら

線香を上げる姫華さん。

何で分かるんだ?

さすがあの碧葉のお姉様。

「すみません」

「良いよ、慣れてるし。

陽太君には知っててほしいから・・・・

たまには昔話でもしようかね」

大きく開いた窓から

涼しい風が入ってくる。

そしてゆっくりと、

昔話が始まった。