「コウキって言うのは、

姫華さん達の兄弟だったんですね」

そう聞くと、

姫華さんは少し動きを止めた。

「・・・・もしかして、柚芽に聞いた」

「そうっす」

「他にはなんて?」

「えっと、コウキさんと姫華さんは半分で、

朝にご飯をあげるのが、

柚芽っちの仕事とか・・・」

そう言って姫華さんを窺うと、

突然立ち上がった。

「陽太君、ちょっとこっち来て」

廊下を挟んで向かい側にあるふすまが開かれ、

その奥へと招かれる。

電気の消えている部屋からは

畳と―― 線香の香りが漂っていた。

カチッという音と共に光が辺りを照らすと、

部屋の隅に立派な仏壇が。