『疲れた・・・・』

目の前の水槽では色鮮やかな魚達が

遊泳しているが、

朝からごっそり体力を消耗した俺は

ベンチに座り込んでため息を吐いた。


柚芽っち(と飼育員)を救出し、

怒り狂う碧葉を宥めながら帰還すると、

綾香によって俺と碧葉の関係を

説明されたらしいギャルに

「がんばって!あの碧葉に

アタックできる命知らずなんて

そうそういないから!!」

と言う微妙な激励を受けた。


ちなみに中学時の友人を見た碧葉は

「日焼けのしすぎだ」

と言って、どこからか取り出した

日焼け止めを押し付けていた。

よく見ると、それは子供用の日焼け止めで、

何となく誰のために

用意していたのかが分かった。

(さすがは“お母さん”)