「ふんふんふふ~ん♪」

夜。俺は明日の準備をしていた。

なんっつーか、

このワクワク感は小学校の頃の

遠足前日って感じがするな。

でも期待感は遠足以上!

やっべ、今日の夜眠れっかな?

「ン~♪」

「兄貴うるっさい!気色悪い声で唸らないでよ」

上機嫌で鼻歌を歌っていた俺に

きつい言葉が浴びせられる。


振り返ると、

部屋のドアの前にベリーショートの

髪の女が立っていた。


「げ、美月(みつき)。

人の部屋はいる時はノックしろよ。
着替えとかしてたらどうするンだっつーの」

苦々しい気持ちで言うが、

ドアの前で仁王立ちする美月はふん、

と鼻を鳴らしてこちらを見下すような目をする。