常冬の青春に恋をした!?

各自そう言いながら

そそくさと部屋から出て行く。

部屋を出る時の姫華さんと大樹の視線に、

『どんまい』

と言う言葉が浮かんでいるのが

はっきりと見えた。

どうやらこの家におけるヒエラルキーの

頂点に立っているのは目の前にいる碧葉らしい。


――て、そんな人と二人っきりにしないで、

助けて下さいよ!

そう思ったが。



ぱたん。



無情にもふすまが閉じられ、

部屋には俺と碧葉の二人きりになってしまった。