不満を言った大樹を

ジリジリと追いつめる碧葉と、

それを見ながら

缶ビールを傾ける姫華さんに、

フォークで素麺を取ろうとしている柚芽っち。

どうやらどの家でも女は強いものらしい。


「食わんのか。素麺は嫌いだったか?」

ボンヤリとしていると、碧葉がこちらを見て首を傾げた。


──ちなみに、

彼女はもう化粧を落としてしまっている。

なんでも化粧の落とし方が

分からなかったようで、

姫華さんが帰宅すると同時に

洗面所に連行していた。