やることのない俺は、

ボンヤリと祭りの様子を眺めた。


鳥居の隣にある屋台は金魚すくい。

沢山の金魚が泳ぎ回り、

チビがきゃーきゃー言いながら

和紙でできたぽいを水に浸けて金魚を追い掛け、

向かいにある飴細工の屋台では

ウサギやピカ○ュウが変な表情で

愛嬌を振りまいている。

そして近くにあるたこ焼き屋からは

ソースと青海苔の香ばしい匂いが鼻をかすめて、

俺の胃袋を刺激する。


こうやってただ立っているだけでも十分楽しい。

むしろ、こういった雰囲気を味わいたくて

祭りに来ているような気がする。


俺は祭りの賑わいに耳を傾け、

みんなが戻ってくるのを待つことにした。