隣の席の…
私はその人の隣に座ってみた。
アコースティックギターを膝に乗せて弾いていた。
音に合わせて風が吹き、その人の髪がなびいた。
『下手だろ?笑えばいいさ。
とても人前では演奏できないし』
「うぅん。
ギター弾けるなんてすごいよ!」
かっこいい…──
髪が黒く、ブルーのメッシュが1本入っていた。
目は切り長二重──
どこから見てもROCKバンドにいそうな…
もの凄いイケメン。
『そうか?
名前なんて言うんだ?』
「私は、椿 霈祢(ツバキ ハイネ)
霈祢でいいから」
するとその人はギターを弾くのを止めた。
『霈祢…いい名前じゃん☆
俺は、桜木 瞬夜(オウキ シュンヤ)
瞬夜でいいから』
桜木 瞬夜───
名前までかっこいいし。
私は知らなかった。
この時、一目惚れしたなんて…

