─悠緋side─ ずっと霈祢だけを見ていた。 ガキの頃からずっと。 今までずっと。 『お前の瞳には、いつも瞬夜が映っていた』 毎日、毎日、霈祢は瞬夜だけを。 悲しかった。 苦しかった。 けど俺は、霈祢が幸せならそれで良いと思った。 瞬夜と居て幸せなら。 「ばか!」 『はぁ?』 なんで言われなきゃいけないんだよ! 「カッコつけすぎ!!」 『んな!』 「私にとって悠緋は“大親友”だよ」 『?』 大親友──? 「友達として好き!」