「おかえり~、こーたろー」


うちの猫が、膝を抱えてテレビの前に座っていた。

ふわふわで、長いネコ毛の髪の毛が床に届きそうだ。


「おら、夜食だ」

「わーいっ」


ぴょんと、飛び跳ねるようにツナマヨを奪い取ると、静かに食べ始めた。

俺の分の夜食は、テーブルの上でラップにくるまれていた。


レンジであっためてる間、猫は小さく海苔の音をさせて少しずつ味わうように食べている。


いつもの日課だった。


いつからか、こいつがうちに住みつくようになり、いつからか、俺がどんなに遅く帰ってきても明かりのついた部屋が待つようになり。


あっためるだけで済むようになった夜食の代わりに、ツナマヨのおにぎりをコンビニで毎日買って帰るようになっていた。


奇妙だ。
実家のおふくろが突然来たりしたら、この状況を見て何て言うだろう。