……あ、しまった。 言ってから、焦りが体中に広がってくる私。 今度こそ気づかれた。 誤解されたくないと、咄嗟に出た本音に、私自身が一番驚いていた。 「え~、もう一人……」 君はすごく悩んで考えこんでいて、私は次の言葉を緊張の眼差しで見つめていた。 キーンコーンカーン…… 何の偶然か、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、君からの答えを聞く事が出来なかった。 付き合うとか、考えた事もなかった幼さ。 ほっとした反面、君がどう思ったのか、その事がしこりのように残っていた。