「はやくしろ!時間がないぞ!」
せっかちな隼人はギターを背負ってライブハウスに向かっている。
メンバーの亮と馨も隼人を追いかけるようにライブハウスに向かう。
そして、ゆめも。
「遅いねー。ONIX(オニキス)」
数少ないファン達がまだかまだかとステージの幕が開くのを楽しみにしていた。
ONIXはまだ出ないのかと文句をつけるファンもいた。
結局30分の大遅刻。いつもよりひとが少ない。
「いいか、今日は大遅刻したんだ。いつもよりいい音を
みんなに聴かせるんだ。いいな?」
「はい!」
隼人の言葉に私たちは大声で一緒に答えた。
そして幕を開けた。
いつもより人が少ないが声援はいつもよりすごかった。
「悪い、遅れた。でもその分いい音を届ける、」
初めてみんなに聴かせる曲。緊張したけど気持ちかった。
まるで雨の日に傘も差さずにずぶ濡れになって叫んでるように隼人は歌った。
隼人の歌声や私たちの音はみんなの心に届いた。
そしてライブは3時間も続きいつもと同じ大成功に終わった。