苦しくて、必死に息をする。
その間に莢華はハサミを手にしていた。
そして私の髪を1房すくう。
ハサミを近づけ…。
「酷い髪になるといいわね」
そう言って、切った。
ハラハラと莢華の手の間から流れ落ちてゆく髪。
あたしはそれを呆然と見ていることしか出来なかった。
その間に由佳達取り巻きも参加し、あたしの髪をハサミでどんどん切っていく。
適当に。
それはもう酷く。
私はなされるがまま。呆然とすることしか出来なくて。
悔しくて悔しくて堪らなかった。
唇をかんで涙をこらえる。
この髪はとても大事にしてたのに。

