さきてぃーとは、あたしがつけたあだ名。
いつのまにか保健室に入り浸ってしまった私がわざわざ咲子先生と呼ぶのがめんどくなったことからつけられた。
「咲子」と「ティーチャー」でさきてぃー。
我ながら満足なあだ名。
さきてぃー、どうしてるかな。
予定日はいつだったっけ?あぁ、私と同じ7月だっけ。
名前付けて欲しいなんて言ってたっけ。
結局、決められないままさきてぃーはいなくなっちゃったな。
虐められている最中。
そんな中であたしは呑気にそんなことを考えていた。
さきてぃーのことを。
髪を引っ張られて我に帰る。
あーぁ。せっかく朝セットしたのに。
ぐちゃぐちゃになっちゃうじゃない。
「こんな髪してさぁ、モテようとしてんの?」
「無理だって。どうせなら…切っちゃう?」

