あたしに背を向けて座っていた先生がゆっくり振り向いた。
「誰…だ?」
低く、静かなテノールの声。とても心地よくて。
少しクセっ毛の跳ねた髪。栗色でとても柔らかそう。
目は切れ長で、口元には微かな笑み。
身体は細身で、おそらく長身。
誰もが認めるほどのイケメンの美青年。
それがさきてぃーに変わる新しい保健医のようでした。
「…景山麻祐」
ぼそりと先生が呟いた。
「は?」
「だから名前。合ってる?」
苦笑した。
その顔も綺麗で。
あたしは思わず目を瞬かせた。
「そうだけど何で名前知ってるんですか」
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