「ん~~~興奮するぅ!お宝?宇宙人?幽霊?ワクワクするわね」
山道を少し歩くと牛小屋があり、その小屋と小屋の間に人が歩けそうな小さな土道がつながっていた。
深夜なで、さすがにモーモー騒いだりはしないみたいで、少し安心。
その道の先へとゆっくり、ゆっくりと歩んでいくと、そこにはあの光の元となる1本の木が存在していた。
「へーー、木って光る種類もあるのかな?こんなに葉っぱの茂った木なんて初めて見た」
葉っぱが茂る木はとても珍しく、大抵枯葉ばかりの茶色いイメージで、それが一般的に知られる木だ。
ニュースで報道されていたが、こういったものはマニアの間で高値で取引されているらしい。
「売ろうなんて考えてないから安心してね」
その木を眺めていたらどこか心から癒されるような、そんな安心感を感じた。
「そうだ、記念に葉っぱを一枚もらっても・・いいよね?見せたら喜ぶかも♪」
ぼんやりと光る木の葉に手を添えるようにソッと左手で触れる。
その緑を摘もうとしたとき、体中に覚えのある感覚がおこり、その直後電気でも浴びたかのごとく強い痺れが走った。
「こっ、これって!?でもいつもと・ちが……う…ん…………じ…」
眩いばかりの光に体中が包まれ、無意識に...まるでその木の夢を覗くかのように、意思に反して力が発動したのだった。
