「あんたなんて大っ嫌い!!  母親ぶって! ・・・


この、どろぼう猫!!」

あの娘は今日も朝ご飯を食べず、出て行った。


いつのまにか、彼のことよりも、あの娘のことばかり考えるようになった。




そういえば彼の為に、凡庸な姿を必死で着飾った。



すれ違う時にだけかすかに香るよう、あえて「シャボン」の練り香水にした。




これは、私と課長との8年後に起こる  「はず」  の、出来事。



私と課長と、デスクの写真の、小さい娘さんとの出来事。




「まま母・・・・かぁ。どんなんだろねえ。」


私は、食い入るように、写真を見つめた。