勇とすれ違ってしまったことで、孝雄と一緒にいる時間が増えていった…。



私が“受験”を乗り越えられたのは、孝雄のおかげ。





塾の時も、帰りの時も、そして、塾がない日も、私に私の苦手な数字と英語を教えてくれた……。




孝雄と一緒にいる時間が、当たり前のようで………




私の中で一緒にいることが自然な気がした……






孝雄もそう感じたのか、学校でも挨拶だけじゃなく、塾にいるような感じで私に接してくれて………




昼休みや、授業と授業のちょっとした休み時間でさえ一緒にいることが多くなった……。








孝雄とのあの微妙な距離感もきれいさっぱりなくなった。












その結果、私は無事、高校受験に勝つことができた。


“合格”







孝雄も無事に合格!






嬉しかったけど…





“合格”は、離ればなれになることが決定的になったことを意味する…








だから複雑だった………。