追憶〜逢いたい人へ〜


朝、梨香の開口一番、


『私、今日行かないから!』


『はっ?』


洋介は昨日のうちに梨香に連絡していたらしい…。


『彼が嫌がるから!』


嬉しそうに梨香が言った。


『そう言われたら何も言えないじゃん…ずるい…』


『ごめん!頑張って、千代!』



梨香を引き留めることができない私は一人で行くしかなかった…。










…待ち合わせの居酒屋さんの前………



でもなかなか中に入れない…



すると後ろから、


『中に入らないの?』


“ドキッ”とする…。



振り向くと涼太君だった。



『良かった。来てくれないかと思ったから…』


優しい涼太君の笑顔に癒される…


『入ろう?』


涼太君に背中を押され、店に入った…。



涼太君が触れた背中が熱くなった……。