「本当は一刻も早くキスしたいんじゃないの~?」 雪乃はニヤニヤしながらソファから立ち上がる。 「どうなの? 亮介君。ねぇねぇ?」 「…」 雪乃のこんないつもの冗談も、何故か今日は無性にイライラする。 何でだろう? さっき兄貴といるのを見てから…。 「雪乃は何でこんな仕事受けたわけ?」 「え?」 「こんな意味不明な仕事、お前が断ってくれれば俺も巻き込まれなかったのに」 「それはまあ、やっぱり芸人魂かな?」