「…」 「元はと言えば俺の軽はずみな行動のせいだしな。ごめんな、優衣のことも傷つけた」 「亮介君…」 「優衣の気が済むようにしてくれ」 そう言って俺は優衣から背を向ける。 カフェのドアを開けようとした瞬間、後ろからグッと腕を引っ張られた。 「優衣?」 「変わったね、亮介君」 「え?」 「雪乃さんと一緒にいるようになって変わった」 優衣は笑顔でそう言い、携帯電話を俺に差し出した。 「もう解放してあげる」