突然 俺たちの視界に入ってきた兄貴の姿。 数人のスタッフを従えて、小走りにこっちにやって来る。 まるで大奥状態のその集団。 「お、亮介じゃん」 「何やってんだよ?」 「何って見れば分かるだろ? 仕事だよ仕事」 それは見れば分かる。 すげー慌しい集団だもん。 「雪乃の見送りに行かなくていいのかよ?」 「大丈夫だよ、スタッフが付いてくんだから。全部任せてる」 「そうじゃなくて兄貴自身の問題!」