「そう言われてもな」 「俺にもそのフェロモン少し分けてくんない?」 「は? フェロモン?」 「業界人を惹きつける亮介フェロモン」 「…アホか」 「あーあ。何でこうも不公平なんだよ」 ブツブツと文句を言う優を俺は苦笑しながら見る。 「そんなに羨ましいこと?」 「そりゃあ男として当たり前だろ」 「そうか? 俺、最近思うんだ」 「?」 「好きな奴に愛されなきゃ何の意味もねーってさ」