「ずいぶん気合入ってんじゃん?」 「優…」 いきなり登場して、ニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んでいる優。 「何しに来たの?」 「濃厚なラブシーンがあるって聞いて見学に来た。優衣もね!」 優の後ろから優衣がひょいっと顔を出す。 「暇なのかよ、お前らは」 「でも台本より過激なんじゃない? どうしたんだよ?」 「どうしたって仕事だから」 「亮介が急にストイックになった~」 「…うるせ」 仕事に集中してなきゃやってらんない。 何もしていないと、つい雪乃の事を考えてしまうから。