「優衣ちゃんのことを考えると悪いなって」 雪乃の口から出た優衣の名前。 俺は雪乃の顔を見上げる。 「2人って付き合ってるんでしょ?」 「…」 「知らないとでも思ってた? あんなスタジオでベタベタされたら誰だって気づくよ」 雪乃がそう微笑む。 「彼女からしたらこんなの許せないでしょ。優衣さんが怒るのも分かる」 「怒る?」 「この間番組で会った時、宣戦布告されちいました。優衣さんに謝っといてね?」 優衣のヤツ、雪乃にもそんなことしてたのか。 「優衣とは付き合ってるわけじゃねーよ」