☆ 女芸人とアイドル ☆


「ああ。これ家賃とか」

俺はそう言って雪乃にお金の入った封筒を渡す。

「そんなのいいのに」

「そういうワケにはいかないだろ。荷物は後で事務所の人が取りに来るから」


すっかり俺のスペースと化したリビングの一部。

何だかんだ言って2ヶ月も生活すると愛着が湧いてくるものだ。

少しずつ俺の私物も増えていったし。

最初はほぼ身1つでここに来たのにな。


「寂しくなるね」

「そうか?」

「うん。でも最近はちょっと心苦しかったんだ」

「え?」