「ああ。これ家賃とか」 俺はそう言って雪乃にお金の入った封筒を渡す。 「そんなのいいのに」 「そういうワケにはいかないだろ。荷物は後で事務所の人が取りに来るから」 すっかり俺のスペースと化したリビングの一部。 何だかんだ言って2ヶ月も生活すると愛着が湧いてくるものだ。 少しずつ俺の私物も増えていったし。 最初はほぼ身1つでここに来たのにな。 「寂しくなるね」 「そうか?」 「うん。でも最近はちょっと心苦しかったんだ」 「え?」