優衣のその言葉に俺は足を止めた。 「今までやってきたことを全部ぶっ潰すかもしんないのよ? 女で駄目になった先輩、何人もいるじゃない」 「…」 「ファンの子だって悲しむよね?」 「…」 「アイドルってそういうものでしょ」 確かにアイドルってそういうものだ。 1つのスキャンダルが致命傷になりかねない。 それは俺が1番よく分かっているんだ。 一流の俳優やアーティストみたいに、揺るがない実力があれば話は別。 だけど 俺にはそんな力はない。