梶裕貴の憂鬱




…プップー…

振り返ると、
車に乗って
こちらにむかって
手を降っている
寺島さんがみえた。

「あ、寺島さんだ。」

僕はあわてて、
寺島さんのほうに
むかった。



「梶くん♫やっほぉ~」

寺島さんが
車の窓をあけ、
笑顔でウィンクする。
そして、
助手席のドアをあけ、

「はい、はいって~」

といった。

「あ。はいっ!」

僕は、ゆっくりと
寺島さんのとなりに
座ると、
ドアをしめた。