炉惟さんが、ニューヨークに旅立ってから、1ヶ月――。


時間は止まることなく、時間は過ぎていくだけ。


「―――はぁぁぁぁ……。」


テレビをボンヤリと見つめながら、大きな溜め息をついたが、気力まで減っていきそうな気分にかられた。



「…何、また溜め息かよ。どれだけ溜め息すれば気が済むんだよ」


冬真は明らかに意気消沈している雪詩を、台所で野菜の皮むきをしながら呆れ気味に肩をすくめた。