そうだよね……恐れること
なんて、実は何もなかった。



仕事を辞めないといけない
のは寂しくても、あたしには
また、新しい仕事が待ってる。


そう――“母親”っていう
名前の。



あたしの世界は目まぐるしく
変わっていくけれど――

でもその世界はいつも、
こんなにも温かさに満ち
溢れているじゃない――…。




『もっともっと幸せになろう。

あたし達、家族で』



心の中で囁いて、あたし達は
どちらからともなく、唇を
重ねた――…。





     ☆☆☆☆☆


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