｢どこ行ったんだよ、梓……！｣



すぐに携帯を取り出し、
梓にコールする。


だが、呼出音が鳴るだけで
繋がることはなかった。



｢くそっ……｣



悔しさにも似た、苦い
思いが胸を走る。



アイツが何かを隠している
のはわかってたが……でも
この間、アイツは言ってた。

『もう少しだけ待って』と。



アイツがそう言うなら、
いずれ打ち明けてくれる
日は来るだろう。


オレはそれを待てばいいん
だと、思っていたのに。


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