敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】

「……梓さん?」



完全に沈黙してしまった
あたしを、心配そうに
お義母さんが覗き込んでいた。



ハッと気づいたあたしは
あわてて顔をあげ、
ぎこちない笑顔を作る。



「すみません、心配かけて。

でも本当に、柊弥が原因
だとか、そんなことはない
ですから。

ただ……」



「―――ただ?」



答えを待つお義母さんに
伝える言葉を、懸命に考える。



だけどなかなかいい言葉は
見つからなくて――
結局言えたのは、自分でも
要領を得ないと思う、
曖昧な言葉だった。


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