やがて長いキスの終わりに、
柊弥はあたしの耳元に唇を
寄せて言った。



「お前がオレの傍にいて
くれるのは……
オレにとっても、言葉では
言い尽くせないくらい、
支えになってる。

秘書としても、家族としても」



「柊弥………」



「だけど忘れんな。

オレにも、お前を守るって
使命があんだよ。

あの教会で――オレは一生
かけてお前を守るって、
誓ったんだからな」



そう話す柊弥の目が、
ほんの少しだけ細められた。



あの日――結婚式の日の、
マリア像の背後のステンド
グラス。

そのまばゆい光を、思い
出したのかもしれない。


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