「――え――……?」 ……霧散する寸前の理性を 振り絞って、必死でのしかかる 体を押し戻そうとした瞬間。 それよりほんのわずかに 早く、キスも拘束も解き、 柊弥の体は自らパッと 離れてしまった。 胸板を押し返そうと突き 出したあたしの手は、 むなしく空を切る。 「しゅ、柊弥……?」 目をパチクリさせてその 姿を追い求めると、柊弥は いつの間にかベッドを抜け 出て、うーんと大きく 伸びをしていた。 _