――柊弥に、嘘をついて
しまった。



その事実が、胸に重い石の
ようにのしかかってる。



『何でもない』、『全然
いつもどおり』なんて、大嘘だ。



しかも、そんなことは柊弥
だってとっくに気づいてる。


それなのに、嘘をつき
とおしてしまった。


昨日病院であった出来事を
話さず……柊弥に、隠し事を
してしまった。



(隠してて、いいわけ
ないのに……)



わかってる。もしあの先生の
言うことが間違いないなら、
柊弥に……ううん、周りに
隠しておいていいことじゃない。


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