傍らに立ったオレの手が
その肩に触れる前に、梓は
大きく叫んで一歩後ろへ退いた。
……オレから、逃げるように。
「梓…………?」
「し、心配しすぎだよ、柊弥。
あたしは元気だよ、全然」
とってつけたような笑顔を
顔に張り付けて言うと、
梓はオレの横をすり抜け、
キッチンへと向かった。
「飲み直すんでしょ?
何か軽いもの、作るね」
決定事項のようにそう
言って、勝手に料理を
始める、小さな背中。
(んなこた、誰も言って
ねーだろ――…)
_
その肩に触れる前に、梓は
大きく叫んで一歩後ろへ退いた。
……オレから、逃げるように。
「梓…………?」
「し、心配しすぎだよ、柊弥。
あたしは元気だよ、全然」
とってつけたような笑顔を
顔に張り付けて言うと、
梓はオレの横をすり抜け、
キッチンへと向かった。
「飲み直すんでしょ?
何か軽いもの、作るね」
決定事項のようにそう
言って、勝手に料理を
始める、小さな背中。
(んなこた、誰も言って
ねーだろ――…)
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