敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】

傍らに立ったオレの手が
その肩に触れる前に、梓は
大きく叫んで一歩後ろへ退いた。


……オレから、逃げるように。



「梓…………?」



「し、心配しすぎだよ、柊弥。

あたしは元気だよ、全然」



とってつけたような笑顔を
顔に張り付けて言うと、
梓はオレの横をすり抜け、
キッチンへと向かった。



「飲み直すんでしょ?

何か軽いもの、作るね」



決定事項のようにそう
言って、勝手に料理を
始める、小さな背中。



(んなこた、誰も言って
ねーだろ――…)


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