朝夕薄氷が張るほど寒い季節なのに、上着もズボンも夏物の木綿。 それも、どこにもかしこにもつぎはぎが当たった超ボロだ。 靴もノルムの民からすれば夏用に見えるような薄い革靴で、それにもほころびを直した跡が無数にあった。 そしてそのすべてがまんべんなく泥のようなしみで汚れていて、元々何色の服だったのかまるで分らなくなっていた。 「いやいや、長旅で汚れたのかもしれないだろ?」 あまりに大笑いするのでルーはフォローを入れてみたが、ガルンはますます腹を抱えるばかりだ。