俺は山田の父親に連絡を取ったあと、林原にも電話をかけた。
今あった全てを話すと、彼は電話口で驚きの声を上げる。

「何でお前が?」

確かに当然の疑問だろう。

「たまたま成り行きだよ」

山田にコンビニで会ったのは偶然だ、嘘じゃない。

他の生徒でもきっと家まで送って行っただろうし、怖がるなら側にいてやっただろう。

山田に惹かれているという事実さえなければ、成り行きに違いなかった。

「山田だから良かったものの、お前は本当にガードが甘いよ」

林原の言葉に俺は眉をひそめる。

「どういう意味だ?」

「女子生徒の家にのこのこ上がり込むなって言ってんだよ。
お前、新人のときに痛い目見てるだろ?」