「熱高いぞ、大丈夫か?」

いくら気候が良くなったからと言って、芝生でうたた寝していれば風邪を引いてもおかしくない。

「ほら、お節介」

「バカ言ってんじゃない。
お前、一人で帰れるか」

「大丈夫」

山田はそう言ったがどうも危なっかしい。

車なら送ってやりたいところだが、俺はあいにく自転車通勤だった。

バス停まで連れて行き、山田にもう一度声を掛ける。

「本当に一人で帰れるな」

「大丈夫、ありがと」

結局、山田は次に来たバスに乗り、帰って行った。