「なんてね。
犬じゃあるまいし、匂いで分かるはずないじゃん」

その言葉に、ドキッとして損した気がする。

「でも、いい匂いがしたのは本当だよ」

そう言って微笑んだ山田を見て、ジャージが洗い立てで良かったと今さら思った。

我ながら、山田に振り回されていると思う。

「でもそれならどうして…」

「そんなお節介なことするの、先生くらいだもん」

「お節介って、お前な…」

ふと、山田の顔が赤い気がした。
よく考えると、言動もおかしい。

「山田お前、熱ないか」

俺は山田のおでこに手を当てて驚いた。
すごく熱い。