「あ」

そういえば寝ていた山田の上にかけてやったっけ。
更衣室に置いてあった替えのジャージを着ていたのですっかり忘れていた。

「パンツ見た?」

「―――は?
見てない見てない見てない!」

俺は思いっ切り首を横に振る。

その様子に山田はハハッと声を出して笑うと、

「分かってるよ」

と言ってジャージを手渡す。

「あれ、でもよく俺のって分かったな」

「先生の匂いがしたから」

俺はびっくりしてジャージの匂いを確かめる。

「悪い、洗ったばっかりのはずなんだが」

「ううん、いい匂いがしたよ」

ふるふると首を振る山田に、俺は少しドキッとする。