まずい。
シャレにならない。

もし教師という立場じゃなければ、きっと間違いなく俺は山田に触れていた。

高校、大学、それ以降と、それなりの恋愛経験は積んできたから、人を好きになったときにどうすれば良いか分かっている。

なのに今回ばかりはそれが通用しない。

何てもどかしいのだろう。

ただ、だからこそ、俺の気持ちを山田に伝える気はなかった。

高校生にはそれに見合った恋愛がある。

俺の気持ちが彼女にいい影響を与えるとは思えなかったし、彼女を困らせてしまうのは目に見えていたから。