「え…?」

山田が声を漏らすと同時に、彼女を抱き寄せていた。

まずい。

俺の中で警報が鳴っている。

だけど、衝動は止まらない。

山田の髪に触れ、彼女の顎に手をかけたとき、

「そこまでにしとけ」

後ろから声がした。

途端に背筋が凍りつく。

愕然としてる俺の正面で、山田が見る見る顔を赤らめていった。

「お兄ちゃん…」

振り返ると立っていたのは呆れ顔の手嶋先生だった。

他の先生じゃなかったから助かったものの、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。