送り主の手掛かりがないかと紙袋の中を確認すると、中からひらひらと数枚の紙切れが落ちた。

『もうすぐクリスマスだね。
一瞬に過ごせるかなぁ』

頭の中に、あの夜が舞い戻る。

『私ね、遊園地行きたい』

私の突拍子もない提案に先生は笑ったっけ。

『水族館は?』

『映画は?』

あの後すぐに別れを切り出したくせに。

ちゃんと覚えててくれたんだ…。

中から出て来たのは、私が提案した場所のチケットや前売券だった。

私はネックレスとチケットを抱きしめる。

乾いたはずの涙が、いつの間にか再び溢れ出していた。

私はただ遊園地に行きたかったわけじゃない。

先生と一緒に行きたかったんだよ。