「それでユウちゃんがね…」

山田は堰を切ったように話し続け、俺はそれに頷く。

俺が自宅謹慎になってからというもの、山田は毎晩のように俺に電話をかけてくる。

まるで俺と離れている時間を埋めるかのように。

4日連続でたわいない話を聞かされているというのに、不思議とその時間が楽しみでもあった。

「―――で、どうだ。
そっちの家にも少しは慣れた?」

山田は今、彼女の父親が海外から戻って来て落ち着くまで、母親の家で暮らしていた。

「久しぶりに一緒にご飯が食べれて嬉しい。
お母さんの旦那さんも優しいし」

山田の母親は再婚している。
つまりその旦那というのは手嶋先生の父親だ。