僕は生徒に恋をした

校長室での俺の言い分は一応理解してもらえた形になったが、本当のところはどう思われているか分からない。

みんなが想像するようなことはないのに。

どうせ勝手に想像されるくらいなら、いっそ事実だった方がどれだけ気が楽だろう。

教師という立場を考えて我慢している自分がバカらしく思えてたまらない。

俺が荷物をまとめて職員玄関に向かうと、山田が不安そうな顔をして立っていた。

「何やってんだよ。
まだ6限の授業が残ってるだろ」

俺は苦笑した。

今、山田とこうして一緒にいるのを誰がに見られるときっとまた不利な状況になるのに、彼女の顔を見て安心している自分がいる。