僕は生徒に恋をした

「泊まりがけでなら、手取り足取り教えてやってもいいけど」

悪乗りした洋平が付け足す。

それを聞いた山田が本気で考え始めたので、俺はため息をつきながら彼女の頭を小突く。

「こら、鵜呑みにするな。
冗談だよ」

洋平のところになんか泊まらせてたまるか。

「いつでもどうぞ」

「いい加減にしろって」

俺は彼をたしなめる。
山田相手に冗談がきつい。

「嫉妬深い男は嫌われるよ」

洋平の言葉に、山田は目を丸くして俺を見た。

「嫉妬?何で?」

本気で言ってそうな彼女に、俺は再びため息をつき、それを見て洋平はケラケラと笑った。