俺は昨日の決断を、山田を拒絶してしまったことを、心のどこかで悔やんでいた。

これから先、山田は大学や社会に出て色んな人に出会う。

俺のことなんてすぐに忘れ、好きになるやつもきっと出てくるだろう。

彼女が卒業するまで返事を保留にして、山田の気持ちを俺に縛りつけることができたら、どんなに良かっただろう。

でもそれは俺のエゴでしかない。

それ以降、校内で見掛ける山田はいつも通りで、むしろ以前よりも元気そうに見えた。

これでいいんだ、と俺は自分に言い聞かせる。

彼女にとってベストな選択をしたんだ、と。