今年の夏休みの初日。

私はお兄ちゃんに、先生と一緒に見回りすると聞いていたから、精一杯オシャレをして夏祭りに向かった。

慣れない浴衣も下駄も窮屈だったけど、先生に褒めてもらいたかったから。

だけどようやく見つけた先生は、担任しているクラスの女の子たちとすごく楽しそうだった。

私はそれが悔しくて悲しくて、彼女たちと別れた後でお兄ちゃんに声を掛けて来た先生を睨んでしまった。

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ユウちゃんとはぐれて道に迷ったなんて嘘だった。

私は再び先生を見かけた後、無意識にその後を追っていた。

見ず知らずの人の落とし物を届けるなんて先生らしかったけど、私の足じゃ追い付かなくて、無理に走ったから下駄も壊れてしまった。

最悪だとしゃがみ込んだとき、先生に見つけてもらえたんだ。